厳選特集

明治の香り漂う「赤れんが郷土館」


当時の歴史の面影を残す国指定重要文化財


赤れんが郷土館の外観正面

大町通りの一角に貴婦人の風格でたたずむ赤れんが館は、国の重要文化財。建物自体が明治の香りを伝える歴史的価値の高いものであることから、秋田市の観光名所として親しまれています。
赤れんが館は、明治45年に建てられた旧秋田銀行本店で、昭和44年まで銀行として使われていました。建設費は当時のお金で約4万9千円。現在のお金に換算すると50億円ほどになるそうです。
昭和56年、秋田銀行創業100周年と秋田市制施行90周年を記念して、秋田銀行から市へ寄贈され、昭和60年から赤れんが郷土館として一般に公開されています。

ルネサンス香る外観


色鮮やかな外壁

赤と白のコントラストが美しいこの建物は、ルネサンス様式を基調とした外観が特徴です。外壁の土台は男鹿石の切り石積み、1階が白の磁器タイル張り、2階は赤レンガを小口出しに積み上げて造られています。
美しい外観を演出する2階部分の化粧レンガは、はるばる大阪から運ばれてきた高級品。内側の裏積みレンガは、当時秋田でレンガ積み建築物を一手に引き受けていた楢山愛宕下の「かめ座」で焼かれたものです。
3年という長い歳月をかけて丹念に造り上げられたという赤れんが館。明治の職人魂が感じられます。

精巧で優美なバロック調の内装


豪華なシャンデリア

正面入口を入るとそこは旧営業室。
2階までの吹き抜けになっていて、忍冬唐草(にんどうからくさ)模様のレリーフ(浮き彫り)が美しい天井には、豪華なシャンデリアがつるされています。
漆喰(しっくい)の白い壁に施された数々の装飾は、複雑で華麗なバロック様式を表現。
客溜りの床はイギリス製の色タイル、2階への階段は白大理石というこだわりようです。

第二次世界大戦と赤れんが


展示室 カウンターおよびロビー

旧営業室カウンター上の仕切り。
赤れんが館が建てられた当初は鉄に金網が張られたものでしたが、戦時中の金属供出のため全て取り外され、現在の温かみのある木製の枠とガラスに替わりました。また、戦後の昭和20年頃には、アメリカ進駐軍に接収され、第84軍政部が設置されていた時代もありました。

ご縁がありますように


当時の面影が漂う金庫室

頑丈な扉や壁に囲まれた20畳ほどの金庫室も訪れる人の興味をそそります。中には人の身丈ほどもある年代物の金庫。銀行時代、どのくらいのお金が保管されていたのでしょうか。
お金に縁があるようにと、金庫をなでていくお客さんがいるのもうなずけます。

国産の鉄製シャッター!


重厚な鉄製シャッター

赤れんが館窓の鉄製のシャッターは、明治時代に作られた国産品です。
帯鉄で鎧のように連結されていて、鉄製のハンドルを使って手動で巻き上げる珍しいものです。
約50枚のシャッターを開館前に開ける作業が、赤れんが館の日課になっています。

お問い合わせ先

赤れんが郷土館 TEL018(864)6851
開館時間は午前9時30分~午後4時30分、観覧料は大人210円・高校生以下無料です。
HPはこちら→https://www.city.akita.lg.jp/kanko/kanrenshisetsu/1003617/index.html