厳選特集

芳醇な香りの絶品 がっこ


  1. うめっこ/紅白の梅漬け。赤梅の着色は紫蘇のみというシンプルさがいい。
  2. 花ずし/紫のナス、黄色のキク、唐辛子の赤がきれいな漬物。塩気と甘さが交じり合った味で、たくさんは食べられないが、全日空のファーストクラスの和食用漬物として採用されていることからも、味は定評がある。
  3. 大根のさっぱり漬け/1~2日、砂糖、酢、塩で漬けたもの。サラダ感覚で女性のオーダーが多い。
  4. いぶりがっこ/大根を楢や桜など香りの良い木で4~5日いぶし、粕漬けにしたもの。いぶした後は米ヌカ、砂糖、塩で漬け込み、じっくりと2ヶ月ほど樽で寝かせる。独特の香りとパリッとした歯ざわりで、根強いファンが多い。
  5. ネクタリン/小さなネクタリンの中にシソの実を入れ、香り豊かに味付けした新しい漬物。クセがなくあっさりした風味。
  6. 了翁さまの福神漬/秋田県南部・湯沢地区では、了翁というお坊さんが福神漬を発案したといわれている。昔ながらの手法で添加物、着色料を使わずに仕上げる。
  7. 味噌漬け/1年以上保存できる味噌漬は、昔は多くの家庭でつくっていた。
  8. からしなす/酒の肴にご飯のおかずにぴったり。
  9. ナタ漬け/大根を豪快にナタで切って塩、米麹で漬ける。ナタの切り口がギザギザしていて味がよく染み込む。
  10. 五輪漬け/夏瓜を塩蔵し、冬にフキ、昆布、ニンジンなどを中に詰めて味噌と酒粕でひと冬じっくり漬けたもの。
  11. ミズ漬け/秋に実る新鮮なミズ玉(実)を塩漬けした後に、醤油でさらに漬ける。カリッとした歯ざわりがいい。

おふくろの味


ナタでザクザクと
大根を切って漬けるナタ漬け。

 秋田では漬物を「ガッコ」という。京言葉の「雅香」が転じてガッコとなったという説とガッガッと音を立ててたくさん食べるからだとか諸説ある。いずれにしても「いぶりガッコ」や「ナタ漬けガッコ」など秋田にはたくさんのガッコがあり、1年中食べられる。しかし、一番旨いのは冬だろう。北国秋田では、例年11月半ばには雪が降りはじめ翌年の3月頃まで根雪となる。暖冬といわれる昨今と違い、昔は雪の量もひとしおであった。
そのため秋に収穫した野菜を漬物にして、翌年の春まで保存食として食べたものである。ガッコ樽は冷暗所に置いてあり、ナタ漬けガッコなどは氷の張った樽から出して食べると歯にしみるほど冷たいが、これがまた旨い。「ガッコ誉めらばかか(主婦・おふくろ)ほめれ」といわれ、ガッコを漬けるのは主婦の腕の見せどころであった。そして、各家々の味が生まれ伝えられてきた、いわば「おふくろの味」そのものであった。この「おふくろの味」「手づくりの旨さ」を守っているのが湯沢市にある伊藤漬物本舗だ。毎日の食事に、弁当に、酒の肴に何はなくともまずガッコ、ガッコでお茶を飲む「ガッコ茶っこ」という言葉があるほどガッコにうるさい秋田の人々も納得の味である。


3~4日経ち、
いぶしが完了した頃。


花ずしの樽


人参のいぶしは1日で完了。

元祖スローフード

角館町にある安藤醸造元北浦本館。味噌、醤油の他、仙北地方の漬物をはじめ、米麹と蒸し米を寒の時期に仕込んだ漬物の素「寒こうじ」を販売しており、リピーターが多い。また、名物の醤油ソフトも人気。

昔、ガッコは気候など自然の力を利用して、漬物自体の発酵をじっと待ちながら塩加減・味加減をしていた。つまり、元祖スローフード。漬物のプロ伊藤漬物さんにお聞きしたところ、旨い漬物を漬けるコツはまず野菜などの素材の良さが第一、次に水、温度、塩、砂糖、米ヌカなども厳選して昔ながらの手造りを守ることだという。しかし、季節の新鮮な野菜を生かした浅漬けや野菜を薄く切って短時間でつくる揉み漬けなどは、手頃な家庭の味として自家製をおすすめしたい。また、秋田で一般的に「寒こうじ」と呼ばれるものもぜひ一度お試しあれ。もち米三、塩五、麹八の割合でつくったもので、これに野菜や魚の切り身を漬けておくだけで漬物が出来上がる。三五八漬けとも呼び、市販されているので家庭に常備している人が多い。

協力/
伊藤漬物本舗 湯沢市角間字白山下26 TEL0183-73-7716 JR奥羽本線・湯沢駅より車で約15分、湯沢横手道路・湯沢ICより車で約10分。
安藤醸造元北浦本館 仙北郡角館町雲然字山崎42-1 TEL0187-55-2200 JR秋田新幹線(田沢湖線)・角館駅より車で約10分。

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